【いじめを考える週間】ポートフォリオに気持ちを書き留めます。

公開日 2022年04月20日(Wed)

 今日も放送部が「いじめ」を考えるための教材を朗読してくれました。生徒のみんなは、静かに聞き入り、聞いた内容をポートフォリオに書き留めました。

 その時に感じた思いは、「記憶」、「感情」が鮮明なうちに「記録」しておくことが大切です。これは、1学年オリエンテーションの時に教務主任の小宮路浩章先生が話されていましたね!

 奄美高校では、思いを書き留める力を身につけるために、オリジナルポートフォリオを活用して、習慣化を図っています。

 卒業までに、いろいろな力を身につけていきましょうね!ポートフォリオも必ず、皆さんのこれからの人生を豊かにするためのツールです!

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【その日の気づきをしっかりと記録し、思いをしっかりと書き留めています。】

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人を傷つけても後悔する 作家・平野啓一郎さん

 いじめている人も、家庭の問題など自分でどうにもならないトラブルを抱えているのかもしれない。でも、人を傷つける形で解消(かいしょう)しても、いずれきっと後悔(こうかい)することになると思う。人に嫌なことをすれば、本当は自分も必ず心のどこかで嫌な思いをしているはずだから。いつか必ずそういう自分を許せないと思う時がくる。自分自身を許せない、好きになれないということは、一番つらいことだ。

 いじめで追いつめられて自殺する子も不幸だけど、追いつめた子も不幸になる。人生には取り返せることと、取り返せないことがある。後悔してもすまないことをしてしまった自分と一生つきあうのは苦しいことだ。友だちは人生の中で変わっていくけれど、人生の中で一番長い間つきあっていくのは自分自身なのだから。

 僕の子どものころも、いじめの芽はあったが、度を超す前にブレーキをかける雰囲気(ふんいき)がクラスにあった。正義(せいぎ)を実現(じつげん)するとか、そういう立派な自分を目指すのは大変なこと。でも、いじめているのは「イタい」という感覚(かんかく)をクラスの中につくっていくことは、だれでもできる。ふだんの会話の中で「集団で一人に鬱憤(うっぷん)ばらしをするのはやばいよね」と語ってみよう。

 自分がいついじめられるかわからない、いじめる側に立てばいじめられない、という思いもあるかもしれない。一人で孤立するのがこわければ、3、4人でいじめが嫌だという態度をとろう。クラス全員が友だちじゃなくても、5、6人いれば事足りる。ほかのクラスにも友だちをつくろう。それから異性(いせい)の目も考えてみよう。彼氏がいじめっ子で喜ぶ女の子はいないはずです。

(朝日新聞2006.12.9)